恵比寿のWESTIN TOKYOで開催されたTHE NEW CONTEXT CONFERENCE 2007の二日目に参加してきました。(アドバタフライで無料紹介を頂いたので)

テーマはWeb Visionaries (Webの未来を創る先駆者達)で、Jimmy Wales(Wikipedia創設者)、Reid Hoffman(LinkedIn創業者)、Chris Alden(Six Apart 会長兼CEO)、Timo Vuorensola(映画監督)、Towa Tei(DJ、プロデューサー)、中野裕之(映画監督)などなどと言ったスピーカー陣でした。

Linkedinは知らなかったのですが、シリコンバレーのエコシステムの重要な要素であるネットワーク(人脈)を支援する仕組みとして機能しているみたいですね。シリコンバレーでのスタートアップの成功ステップを詳細に解説し、初期段階では協力・支援してくれる人を探し、早く製品を出すこと、できるところまで育ててから最後の手段としてベンチャーキャピタルを利用する(早く利用すると失敗する)、ビジネスプランは時間の無駄などシリコンバレーのネットビジネス特有の話が聞けました。
日本では形にこだわりリスクを回避する傾向があるとのことで(そのとおり・・)、難しいのかも知れませんがこういうコミュニティが形成されれば面白いと思います。

・アーティスト(とくにメジャーでない人たち)は、現状の著作権の仕組みに満足していない(アーティスト自身が権利を決めたい)。自分でプロモーションもできない。知って貰ってなんぼで、レスポンスが得られる方が楽しいが自分の作品をネットに掲載することもできない。myspaceは著作権処理をされているので、合法的に楽曲や映像などをフルで掲載することができるので、アーティストが集まっており繋がっている。
・インディーズでできるところまでやってからメジャーデビューしないと、ろくにプロモーションしてくれないし、自分でもプロモーションできないという状態になってしまう。
・150円のうち60円がアップルの取り分というのも納得できない。
眠っている楽曲を部品としてアップし、リミックスする仕組みというのもある。
などなど興味深い話がありました。

著作権の問題を解決する手段としてクリエイティブコモンズ(CC)があり、その成功例の紹介がありました。
Star Wreckという映画はパロディ映画ですが、無償配信を目標にネットコミュニティを活用して7年かけて製作したフィンランド映画だそうですが、かなりの完成度っぽいです。CCにより無償配信できることから評判が広がり、欧米を中心に商業(DVD・TV)的にも成功しているとか。
・ロフトワークは1万人のクリエータを集めるコラボレーションインフラで、使わなかった作品等をCCで利用できる仕組みを作っている。
NeoM re:Publicは、CCで楽曲や映像素材を提供し、アマチュアの作品創作に役立てている。
・SONY eyeVioはCCを利用して(著作権無視の批判を回避して)、DRMなしでホームコンテンツを携帯デバイス等に配信する仕組みを構築。DVD並の品質で配信できるのが特徴。
CCってまだまだ理解されていないと思いますが(私もちゃんと理解してませんでした)、いろいろ面白い仕組みが考えられそうですね。

新しいインフラをどう創っていくかの議論。ワンセグが1000万を突破したことからこれをローカルメディアとして有効活用したり、FONやPlaceEngineなどを発展させてどこでも位置情報を使ったサービスを利用できるようにしたり。(詳しくはこちらのレポートを参照)

WikiaとWikia Searchに関する紹介。
Wikipediaの百科事典であるが、Wikiaは様々なテーマに関する本を集めた図書館である。非営利でなく、広告ベースで持続的な発展を目指す(現在は赤字)。
さらにWikia Searchとして、オープンなサーチエンジン(クローリング、コミュニティによるランク付け)の開発に取り組んでおり12月にファーストリリースを行う。


Google(YouTube)の動画広告について、広告の歴史から解説。ユーザきっかけで多様なビデオ広告を関連性に基づいて表示する仕組みとして、サイトターゲット広告やYouTubeのコンテンツとしての広告、半透明広告などを紹介。

疲れたので最後の方は端折ってしまいましたが、全体的に非常に興味深いカンファレンスでした。
明日の東京MX 23:00〜のBlogTVで1時間にまとめて放送するそうなので気になる方はチェックしてみてください。

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