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ピントや絞りを撮影後に調整することができるカメラと4年近く前から話題になっていたLight-Fieldカメラの第2世代の製品LYTRO ILLUMが国内代理店の加賀ハイテックより12/12発売になりました。20万円ほどするカメラなのでなかなか触れてみる機会がなかったのですが、PHaT PHOTO 写真教室でLYTRO ILLUM体験会が開かれたので、実際に体験することができました。


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LYTRO ILLUMは一眼並みの結構な大きさがあり、マグネシウム&アルミニウムのボディ。見た目よりは軽く感じます。
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一体型のレンズは35mm判換算で30-250mm相当の光学8倍ズームレンズ。全域F2.0のとても明るいレンズを搭載しています。
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ボディは特徴的な傾斜型をしており、背面モニターはチルト可能で、4インチ(800×480)タッチスクリーン。
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これはレンズフードが付いていますが、レンズフードを取れば、広角端ではレンズ表面直近までピントが合うのだとか(逆に言うとレンズの汚れに注意が必要)。
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操作はかなり独特で、撮影時にピントを合わす必要がないのだから簡単に撮影できるのかと思いきや、撮影後にピント移動を楽しむためには撮影後にピントが合う範囲を上手く調整するという操作が必要になります。
シャッターの手前のLYTROボタンが重要でこれを押すと、
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背面モニターの赤と青のグラデーションのバーの横にヒストグラムが表示されます。これがうまく、赤と青の間に広がりつつ収まると、ピント移動などを楽しめる写真になるそう。赤と青の間の黒のところがピントのあっている部分でそこから赤が遠距離、青が近距離で、その先は後からピントが合わせることが出来ない距離。赤や青のところでもオレンジや水色の明るい部分がよりしっかりとピントが合う距離。
それぞれの距離にどれ位の被写体があるかをヒストグラムで表しており、モニター内の水色やオレンジの線はそれぞれの距離に相当する被写体のエッジを示しています。
フォーカスリングやズームリングなどで調整します。
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写真家の塩澤一洋氏はこのLYTROを使っていて、被写体の見方が変わり発想が豊かになったとか。今まで点や面で見ていたのが、奥行きを意識するようになり、2つ以上の被写体の位置や関係などを考えるようになったそう。
あと、現在はiOSのみですが、撮ったその場でiPad/iPhoneなどにWiFiで接続し、RAWファイルを転送、さらに専用サーバにアップロードすることでクラウド上で処理され、直感的にピント合わせや絞りの変更、視点の変更などを楽しむことができるそう。(Android対応も行われる予定)
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RAWファイルはもちろんPC/Macで処理することができます(ただし、OS X 10.8.5以降か、64ビットのWindows 7以降が必要)。
Lytro DesktopでLightroom風な調整が可能になっており、さらにLYTROならではの絞りの調整、チルトの調整などが可能になっています。
絞りはF1からF16まで変更可能。チルトはチルトレンズのような効果を実際の光の方向から演算して作り出し、面の回転も可能です(ぼかし処理ではないです)。
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F1で近くのライトにピントを合わせてみたもの。
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F1で奥の人形にピントを合わせてみたもの。
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F16にしてみたもの。
こんな風に自由に後からピント位置や絞りを変更できるのは面白いですね。
ちなみにRAWファイルは一枚50-150MB程度でかなり大きいのですが、これは光の方向の情報もすべて記録しているため。その記録のためマイクロレンズアレイと4000万画素程度の素子を使っていますが、静止画にすると400万画素相当になってしまうそう。コストの問題ですが、まだまだ発展の可能性を残していますね。
現在のLytro Desktopでは、JPEG書き出しすると圧縮率が高くなってしまうので、TIFF書き出しして他のソフトでJPEG変換するほうがきれいな静止画になるそうで、上記のサンプルもそうしています。
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LYTROはレンズの両端を通る視差に相当する光も捉えられるので、それを利用して3D画像を生成することもできるそうです。
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フォーカスの移動やズーム、絞りの変化などを利用して動画を作ることも可能。MP4形式で書き出しすることもできます。
一度撮った写真(というか光の場)で後から色々な楽しみ方ができるのは面白いですね。
遠足や運動会、スポーツなど自分の子供にフォーカスを当てたいのが個々人を撮影しなくても大丈夫だったりするかも。
以下は撮影したサンプルです。専用サーバにアップロードすると、WEBサイトで参照出来るだけでなく、Blogなどへの貼り付けも可能になります。
任意の点を押すとそこにフォーカスが移動しますし、マウスホイールでズーム、ポインタの移動で視点の移動などができます。下の三角を押すと自動的に動いたりします。




やはり複数の被写体を考えて撮影するというのは難しいですね。LYTROボタンでの調整も結構大変で広角で接写して背景も写すのがコツとか伺いましたが、なかなかよい被写体が見つからず。。背面モニタでの写真の確認も少し見にくいと感じました。
でも、撮影した後の楽しみ方はとても面白いですね。
このLYTRO ILLUMは、CP+ 2015でも展示されるそうです。触ってみたい人はCP+へぜひ。
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